読書・観劇記録、音楽メモを中心とした備忘録ブログです。
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氷川きよし特別公演 / 明治座

2020年9月 於:明治座

 

一、限界突破の七変化 恋之介旅日記

 

二、氷川きよしコンサート 2020 in 明治座

 

千秋楽の一つ前の公演、前楽を観賞することができました。驚いたのは、その日の午前の部を観た人、翌日の千秋楽を観る人、それぞれ手を挙げてーと司会の方が問うたら、視界に入るほぼ総ての人が手を挙げたこと。私のような一見さんはマイノリティでありました。一階席だったからでしょうか。一階前方の席を「きよシート(おまけつき)」と名付けて売っていたので、そこに氷川きよしを贔屓にするマダムたちが一席おきに座っていたのでしょう。毎日通うだけの経済力があるのか、無理くり金を捻出しているのか、すごいなあと思いました。

芝居のほうはコロナ対策でか暗転が長いなあとか、偉い人が手拭いを顔に覆うことを流行らせようと野望を抱いたり、その他感染防止でソーシャルディスタンスをとる演出が解りやすくあるところが楽しかった。姫君の身代わりとしてキーちゃん(氷川氏本人指定の愛称なので敢えて使う)演じる恋之介が豪華な着物を身にまとい、ノリノリで女装していました。

あと、宝塚ファンとしては、娘役トップまで登りつめた渚あきの扱いが悪いんでないかい、と。確かに品と格が必要とされるお役でしたし、それは見事な美貌と演技力で役をものにしていました。今回、パンフレットの出演者の紹介ページの順番で、座長キーちゃん、二番目格、三番目格、アンサンブルとなっています。大きさも座長が2ページと二番目が大きくて1ページ、三番目から3分の1ページと小さくなる。渚あきは三番目の一番最初。でも、そんな扱い寂しすぎるよ! 二番目の中に入れられなかったのだろうか? 川野太郎や山村紅葉が二番目なのは納得だけど、野際陽子と千葉真一の娘・真瀬樹里が役もおいしいとはいえ二番目なのだよ? 何度も言うようだけど、宝塚のトップ娘役ですよ? そういえば、十年くらい前にNHKの時代劇で渚あきが出ると聞いて見たのだった。全体的に明度の低い、暗いシーンが多かったのだけれど、そのうっすらとしか顔の見えない役で、扱いも悪かったのを思い出した。それに比べれば今回の舞台では地味ではあるけれど活躍できていたように見えるので、まあ満足。

 

二部のコンサートは「箱根八里の半次郎」、「きよしのズンドコ節」、「限界突破×サバイバー」などヒット曲を新旧取り混ぜて披露してくれたキーちゃんも凄かったが、ファンのお嬢様がたも凄かった。サイリウムの域を超えた、そこそこの大きさのハートの形で、色とりどりに発光する物体を舞台に向けてかざす人々が少なからずいたことにびっくり。恋之介とかきよしとかいう文字もその発光体には認識できました。結構な値段がしそうなのですし、芝居が恋之介じゃなくなったら使えないじゃないですか。いや、使うか。恋之介自体は今回の公演が二回目だそうです。これからも恋之介がシリーズ化されるとしても、年齢を重ねると演じられなくなる役柄だとは思うので、「私は恋之介のころからキーちゃんを見ている」アピールで使うのか。

司会で、芝居でもネタ要員で出演していた西寄ひがしなる人物も認識できました。圧が強いので、いろんな意味で活躍してほしい。お笑いなのか、癖のある役者としてなのか、それともプロの司会者としてなのか、なんでもいいので世にもっと出てほしいなァ。

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麦ふみクーツェ / いしいしんじ

麦ふみクーツェ いしいしんじ 新潮文庫 2002年8月

 

世界観がかなり独特なので、苦手なかたにはお奨めできないけれど、素敵な一編。厚めで長めな話で、決して短くはないのだけれど、読後感は、短編を集中して読んだかのよう。

「ねこ」と呼ばれる少年の視点から語られる物語は、遠いどこかの国で暮らす人々の生活のありようを描いている。当たり前だけど、それがとてつもなく奇跡的な出来事であることを的確についている。ねこは周りの誰よりも体が大きく心臓がよくない。周りの人にも一線を引かれている。とはいえそれをコンプレックスにすることなく、用務員さんのスクラップブックにひそんだ世界中のがらくたみたいな記事に夢中になったりもする。祖父がティンパニーを演奏する楽団の王様であるゆえ、打楽器を演奏したりもする。ねこの声が打楽器になることもある。吹奏楽団を一流に育てた祖父と、用務員さんの作曲したオリジナル曲のおかげで、コンクールで優勝することができた。

中学三年生になったねこの進路は、遠い町にある音楽学校。指揮と作曲を学ぶこととなる。離れていた間に、故郷ではひと騒動起きてしまう。ねこはねこで、学校の授業の方針についていけない。偶然出会った盲目のボクサー“ちょうちょおじさん”との出会いによって、学校では経験できない新たな音楽の世界を知ることになる。おじさんと盲学校時代の友人のチェロ弾き、その養女で色盲の“みどり色”・・・。

麦ふみクーツェという存在の謎も最後に解ける。

不思議な存在であることには変わりないけど、でも一体なにものであったかは明らかになっている。

いしいワールドに酔いながらひたすら読み進める時間は心地よいものだった。登場人物の呼吸が、彼らの生と死が、悲喜劇として作品の世界のあらゆる存在そのものを祝福してくれている。演奏される様々な曲は想像するしかないけれど、物語を豊かに盛り上げている。

| coutaca | 書籍(いしいしんじ) | comments(0) | - |
ベルサイユのばら─フェルゼン編─ / 宝塚歌劇花組

1990年 於:宝塚大劇場 オスカル役替わり・安寿ミラ

 

平成のベルばら、初めて拝見しました。安寿ミラオスカルのほかにも真矢みきオスカル版もVTRが残っているようで。でも、安寿ミラオスカルはマニッシュだけどフェミニンという芯のある絶妙なオスカルっぷりでよろしゅうございました。話にはよくうかがう朝香じゅんさまアンドレも麗しく格好いい姿で、ファンの方はさぞや・・・と思う次第です。

稀代のダンサー大浦みずきのために、ダンスシーンを追加して「踊るフェルゼン編」となったと聞いております。ところどころに踊りがちょっとずつ入るのかな、と思っていたら、比較的序盤でがっつりショーっぽい場面があるきりでした。あの時間を絞りだすことができるのなら、もう少しアントワネットの出番を・・・! もっとひどいバージョンもあったけど。フェルゼンとアントワネットの出会いの仮面舞踏会は初めて見たけど、あったほうが二人の恋路に説得力が出るので、平成のベルばらより後でも残しておいてほしかったな。2001のフェルゼンとマリー・アントワネット編は見てないからどっちだか解らないけど、それ以降は多分カットされていると思うので。

ろくでもないフェルゼンだけど、大浦みずきがやるだけで場が締まるというか、とても魅力的に見える。華やかで妖しい色気も出ている。植田歌舞伎も堂に入って、それがまた映えることったら。ひびき美都は顔の造作が丸っこいので、庶民的な美人さんて感じ。気高いオーストラリアからフランスにお輿入れした女王としては説得力に欠けるかも。ロザリー似合いそうだな・・・。

あと、フェルゼンが帰国を国王に報告する謁見のシーンがめっちゃ質素だった・・・。すごく華々しいこれぞベルサイユ宮殿!といった衣装を着た貴族たちが大勢で国王を敬うというイメージだったので、以前はあっさりと王の部屋で四、五人くらいしか出ていなかっただったことに驚いた。

 

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外伝 ベルサイユのばら─アンドレ編─ / 宝塚歌劇花組

2009年 於:東京宝塚劇場

ジェローデル、アラン、ベルナールの各人を主役に据えたベルばら外伝三部作の集大成としてアンドレ編がつくられた・・・と当時の記憶。表現は違ったかもしれないけど、四部作といったほうが良くないか?と思ったのは確か。

そして、平成のベルばらではアンドレ編というバージョンがあるにもかかわらず、敢えて外伝で上演するのはどうなのか?

それはともかく。冒頭からアンドレとその幼なじみのマリーズが話すフランスのプロヴァンス地方の訛りが、福岡あたりの方言になっていたけれど、これは植田御大のセンス?誰のアイディア?「しとっと?」とか、日本の九州地方の訛りがフランスにおけるプロヴァンスなのであろうか。

どうにせよ、疑問がわくところの多い作品です。フェルゼンが出番の少ないちょっと目立つ程度の役で真野すがたが演じているのだけれど、正直いらない役だったなァと思いました。オスカルにアントワネットとの別れを進言され、逆ギレしてオスカルに「君になじられるのが辛い」的な独白をさせておきながら、次の登場場面ではアントワネットとの別れを決意し、オスカルに挨拶もせずに別れると言ってフランスを去るのです。逆ギレから別れまでに何らかのきっかけはあったと推察されますが(メルシー伯爵の進言とか)、それは語られることはない。得意の説明台詞でも語られない。なんか思い付きでスウェーデンに帰った印象を受けてしまう。アントワネットを出さないのならフェルゼンも出さなくてよいのではないか。それともやはり、オスカルの想い人ということで、アンドレとの対比がされるので必要だったのであろうか。

 

で、外伝でアンドレ編をする意義はあったと思う。オスカルの比重が低くなる分、アンドレのオスカル以外の人間関係が描かれていて、良かったと思う。といってもマリーズとマロングラッセぐらいなもんだけど。アンドレがオスカルの決意を知りながら、マロングラッセのたっての頼みをきいて、ブイエ将軍にオスカルがパリに進駐するのを配置換えすることで止めようと願い出るところは、「それはないだろ〜」と引いてしまった。でもよく考えると、オスカルの命を救いたいという気持ちと、マロングラッセの強い思いが、アンドレを行動させたのだろうけれど、死をも恐れないオスカルをベルサイユに留めることができないことは、アンドレも知っていたはず。アンドレをダメもとでブイエ将軍の邸宅に訪れさせたのは、マロングラッセのオスカルに対する愛情と、アンドレのマロングラッセへの愛情が人一倍強かったからなのだろうなァ、と考えると切ないエピソードではある。ただマリーズと再会するための都合だったら、嫌だな。

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ベルサイユのばら─オスカル編─(新人公演) / 宝塚歌劇雪組

2006年 於:東京宝塚劇場 新人公演

沙央くらまオスカルは硬質で、本役の朝海ひかるの背中を見ているなァ、と感じました。主演娘役であるはずのロザリーも、本公演では存在するトップコンビという制度がないので、晴華みどりの歌のうまさと可愛らしさを押し出すことができ、出番の少なさもストレスフリーだった。

フェルゼンとアントワネットが本公演同様、登場しないのでオスカルアンドレのエピソードに集中できる。オスカルとアンドレ編は2013年の月組の新人公演もそうだったけど、演出がうまいからなのだろうか、新人公演なので割愛したシーンもあったはずだけども、気にならなかった。ベルばらはいろいろなエピソードの組み合わせで出来ているから、どこを外してどこを使うかの選択で作品の出来が決まるというのは、新人公演のみならず本公演にもいえると思う。

凰稀かなめのアンドレは暗い情念みたいなものを感じさせて、いいアンドレだった。緒月遠麻のアランも血気盛んだが妹思いというツンデレぶりも勢いがあってこの後の活躍を暗示しているかのよう。メインキャストじゃないのだけれど、愛加あゆのルルーにびっくりした。当時、本人も六年後にトップ娘役になるとは想像もしていなかったでしょう。とにかくおちゃめで可愛い。

凰稀かなめアンドレは堂に入った感じ。役替わりでいろんな本役を見てきたからだろうか、それとも当時から男役芸が確立できていたのだろうか。

当時、沙央くらまは劇団が爆推ししていた憶えがある。雑誌とかにも出ちゃって。月組に組替えして、しばらくして専科生となるとは誰が想像できよう。凰稀かなめはその後星組に組替えし、短期間で今度は宙組に組替えし、トップスターになった。トップスターになるな、という劇団の気概が感じられる生徒がままいる。これを書いている現在では永久輝せあとか。沙央くらまも当時はそんな感じだった。いつの間にか別格スターになられてしまって。宝塚の専科にも幅が出てきて、別箱で主演公演をするような路線系スター、路線から別格スターになり各組の公演に華を添えるスター、映像の世界で活躍するためにおそらく一時的に専科に籍を置くことになったスターなど、脇を固める芸を極めたお姉さまばかりではなくなった。トップオブトップの轟悠の存在も大きい。

話が逸れてしまったけれど、ベルばらの新人公演は歌唱力に不安がある出演者が歌うところもままあるが、総じて質が高い。主なキャストには初々しさを感じることが少ないというか。ベルばら独特の芝居ができる組で然るべき時に上演しているのだろうか。マリー・アントワネット生誕250周年記念とかでもやってたからそうでもないのかな。エリザベートのタイトルロールを適任者がいないといって、他組の若手男役を抜擢するようなところだからな。ベルばらはチケットも取りづらいし、オリジナル新作のほうがありがたいけれど、やっぱり観たいと思わせてしまう魔力はある。そろそろ演出に大胆な解釈を加えてもいいのでは? 前にも書いたかもしれないけれど。

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ベルサイユのばら─フェルゼンとマリー・アントワネット編 / 宝塚歌劇花組

2014年 於:中日劇場

2013年の雪組の「フェルゼン編」と比べると、「フェルゼンとマリー・アントワネット編」とあるだけあって、蘭乃はな演じるアントワネットの扱いが良くはなっていた。アントワネットのソロ歌唱もあれば、ルイ16世と子供たちとの幽閉生活なりの僅かな平穏が描かれていた。

あと、オスカルとアンドレの回想シーンが衛兵隊が市民側につき、ふたりが戦死する場面だけになっており、「今宵一夜」がカットされていた。オスカルの芹香斗亜とアンドレの望海風斗のファンには残念かもしれないけれど、作品的にはバランスが少しはとれているので英断だと思う。

マリー・アントワネット編であるからには、少女時代もあって然るべきだと思うけど、難しいのかな。

 

2024年に迫ったベルばら初演50周年では、きっと盛大に祭が行われるのだろうな、と考えます。四年後といえば、これを書いている時点でトップになりたての柚香光と礼真琴が君臨していてくれるかな?という微妙な頃合いですね。ふたりと同じ95期生の路線スターもトップになっているかどうかは解らなくとも、そのときまで輝きを放って活躍していただきたいものです。

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ベルサイユのばら─オスカルとアンドレ編─ / 宝塚歌劇月組

2013年1月 於:宝塚大劇場 役替わり アンドレ・壮一帆

 

今回は通常回は龍真咲と明日海りおのオスカル、アンドレ役替わりだったので、准トップ明日海りおの演技もベルナール役でない主役で観たかったと思う。壮アンドレを迎えるは龍オスカル。龍はオスカル役も悪くはなかったけど、翳りのあるアンドレ役も見てみたいと思った。今回ベルナール役でも輝いていた明日海のオスカルはさぞや似合うだろうなあと考えてみる。

ジャルジェ将軍が汝鳥伶さんだったけれども、ブイエ将軍のイメージが強いので違和感があった。でも2001年のベルばらでもジャルジェ将軍をやっているらしい。演じた回数はジャルジェ将軍のほうが多くても、2006年のブイエ将軍は当たり役だと思うのだがどうだろうか。フェルゼン編ではメルシー伯爵もやられている。重宝される専科さんとはいえ、ベルばらの登板回数多いですね、汝鳥さん。

 

オスカル・アンドレ編の壮一帆のアンドレは以前、全国ツアーで観たことがあった。そのときのオスカルは水夏希。全ツは遠い昔すぎて覚えは確かではないのですが、七年の時を経て同じ役をした壮の包容力ある演技力は倍増していたと思う。七年前の公演は結構エキセントリックな場面が多かったように思う。ロザリーがオスカルの姿をした複数人の幻を見たり、先に死んだアンドレが絶命したオスカルに向けて「オスカール、オスカール」とリバーブを利かした呼び声など。

 

とにかく、龍真咲のオスカルと壮一帆のアンドレが、演出の元理事長植田紳爾御大の独特の植田歌舞伎とも呼ばれる朗々とした台詞回しや見得を切ることなどをうまく演技に取り込めているのが、作品としてのクオリティを高めているようにも思います。龍は独特の歌唱や台詞回しなどが上級生になるにつれて癖が強くなっていったけれど、それも賛否が別れますね。

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ベルサイユのばら─フェルゼン編─(新人公演) / 宝塚歌劇雪組

2013年 於:東京宝塚劇場 新人公演

 

アントワネットが最後の牢獄シーン以外は数えるほどしか出てこないのは一体どういうことだー!?

 

いくらなんでも酷すぎる。主演カップルなので、アントワネットの名前だけは散々出てくるものの、実際に登場するときにはもうフェルゼンと別れのシーンだったりする。なんだかもやもやする。フェルゼンとマリー・アントワネット編ではないな、確かにこれは。だからといって、フェルゼンにクロースアップするなら相手役である、しかもマリー・アントワネットの出番がここまで少ないというのは納得いかない。

 

彩風咲奈のフェルゼンは役柄的にどうしようもないのでしょうがないが、立ち姿は綺麗。

 

煌羽レオのオスカルは緊張感が顔に漂っていた。帆風成海のアンドレはオスカルへの想いがうまく表現できていたと思う。

 

夢華あみのアントワネットは、破綻なくうまくできていたのではないでしょうか。牢獄で自らの死を悟った場面しか演技を見られなかったので物足りないけれども。

 

ベルばらの宝塚版が大きくリニューアルされない限り、物語を構成するエピソードの配置のいびつさは解消されないと思う。フェルゼン編なのにオスカルとアンドレの話で時間が割かれていたり、ロザリーという重要人物を軽く扱いすぎていたり。もはや、オスカル編とフェルゼン編に分けることにも疑問がある。昭和のベルばらは今ほど歪んでいなかったのだろうか。平成のベルばらの第一弾1989年の公演以来ポリニャック夫人とか出てきてないし。

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ベルサイユのばら─フェルゼン編─[NHK収録版] / 宝塚歌劇雪組

2013年 於:宝塚大劇場 役替わり オスカル・早霧せいな アンドレ・未涼亜希

この公演の特別出演の役替わりは、オスカルが凰稀かなめ、アンドレが柚希礼音、龍真咲。それ以外の通常回は早霧未涼がオスカルアンドレを演じていました。凰稀柚希が同時になされて、龍アンドレには早霧オスカルが相手役となっています。

龍アンドレは未見ですが、凰稀柚希を先に見てから早霧未涼を見たのですが・・・地味。悪い意味ではない。比べるのが時めくトップスター二人なのだから、仕方ない。未涼亜希の演じるアンドレは柚希礼音と比べると明度は低い。でも、オスカルを想う情熱が静かな炎となって発火している様子は、柚希と比較できない、未涼ならではの持ち味となっています。

愛加あゆの今回一か所しか与えられていない見せ場であるストーリー最後の牢獄での場面、何日も食事をしていないという設定の割には顔がふくよかでそこだけが残念かな、と。

あと、フェルゼンがジェローデルとパリへ向かう際、妨害されるシーンは、凰稀柚希の回にはなかったのですが、これが役替わりごとに異なる場面があるというののひとつなんでしょうか。確かにあってもなくてもいいっちゃいい場面なので、削った分だけ役替わりの特別出演者に見せ場を増やしてあげたのかなあと思いました。

 

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ベルサイユのばら─フェルゼン編─ / 宝塚歌劇雪組

2013年 於:宝塚大劇場 役替わり オスカル・凰稀かなめ アンドレ・柚希礼音

壮一帆と愛加あゆのお披露目なのに、ベルばら。オスカル編でもフェルゼン編でも娘役の見せ所が少ないイメージがあるのですが、今回もトップ娘役のお披露目としては残念な感じでした。

フェルゼンとマリー・アントワネット編ではなく、なぜフェルゼン編なのか。確かにアントワネットの見せ場は少ない。だからフェルゼン一人をフィーチャーしてフェルゼン編にしたのか。なら、もう少しバランスを考えて、フェルゼンとマリー・アントワネット編にしてもよかったのでは?

アントワネットは最後の幽閉されてからのシーンを除けば、二幕の途中までフェルゼンとのラブな場面さえもなく、出番も数えるほど。

オスカルとアンドレのほうがアントワネットより目立ってしまっているのは何とかしてほしいところではあります。しかもこの回は他組トップふたりが特別出演で演じているゆえ、より輝いてしまっていてしょうがない。

特出のない平常時版もNHK撮影の映像があるので、そちらも見ます。役替わりで特出がある場合と通常回では場面に手を加えたところもあるとか。全部コンプリートしたいとは思いませんが。

どうでもいいですが、メルシー伯爵は今回の汝鳥伶より’06年の未沙のえるのほうが好みだな。

 

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