この物語、読んでるときから思っていたのです、「ドラマ化しやすそうだな」ー、と。
読み終えて調べてみると、今年の4月から昼の帯でドラマ化がすでにされていたとのこと。
主演の陽子は真琴つばさ。イメージと少し離れているけれど、似合うと思う。
ドラマ版を見ていないのであまりどうこう言えないけども。
作品自体はPTAや町内会での人間関係のイザコザを鮮やかに切り取っている佳作なのだけれど、
やはり加納女史となると、つい期待してしまうミステリ色。
今回はミステリ色が薄く、いや、ほとんどないと言ってしまえるほどでした。
第一章では保育園児だった息子・陽介が第七章では中学生になっているように、陽子も母親として、成長していきます。
といっても最終の七章でどすんと一気に成長ぶりが示されるので、徐々に大人になっていく、という感覚は少なめです。
陽子自身が充分に大人で、母親という役割についてのみ未成熟だから、ちょっとずつ成長していくという部分は不要だったといえるかもしれません。
正直、陽介の成長をもう少し細かに描いてくれれば、さらに読みごたえが良くなったんじゃないかと思います。