悪人の出てこない、ハートウォーミングな人情劇。
ミステリ的な要素は仄かに漂うけれど、4世帯という大家族ならではの結束感、大変さなど、ジャンルを考えずに構えすぎずに読んでいたからか、とても心地よかった。
「Wii」や「DS」などの今が盛りの流行モノを作中に出しているのは、いずれは必ず古びるという前提の上で意識的にされていることだと思うので、「今」「同世代」に向けられている部分が大きいのかなと思ってみました。
現代の暮らしのなかで生きていくときには重要だったりすることが、すぐに古びてしまう。そういう部分も込みこみで小路さんは作品を書いているのかもなあ。
それにしても我南人はやっぱり内田裕也の顔しか浮かばないよう。