2023.11.15 Wednesday
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松本隆/風街図鑑~風編~ (JUGEMレビュー »)
オムニバス, 原田真二, 薬師丸ひろ子, 松田聖子, 近藤真彦, 太田裕美 1曲ごとに寄せられた本人コメントが面白い。思い入れの濃淡に思わずほくそえんでしまう。 RECOMMEND
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2006.07.30 Sunday 21:43
チョウたちの時間 / 山田正紀
テーマは「時間」。人類が殺戮と破壊によって歴史を重ねてきたのは、〈敵〉が人類の発展を阻害すべく干渉を続けてきたからである。 〈時間粒子〉の存在を知り、〈純粋時間〉を往来する術を身につけた〈時間人〉である、シンとマヤ。ファシズムの台頭に怯える物理学者マヨラナ。謎の男に操られるように故郷へ向かい出生の秘密を知る新介。そして、新介の教え子・高沢が謎の少女から手渡された一匹のチョウ──。 コンパクトにまとめられてはいるものの、現代(親本は1980年発表なので、そのくらいのころ)の日本と戦時下のヨーロッパ、などなど時空を超えた壮大な物語は強烈で、なかなか読みでがありました。ハイゼンベルクとか出てきちゃうし、なかなか骨太なSF作品。 あ、マヨラナが実在の人物だというのは、読み終わってから知りました。消息不明になったという史実をうまく汲み入れているあたり、さすがです。 2006.07.25 Tuesday 21:24
GOING UNDER GROUND tour "TUTTI" / GOING UNDER GROUND
もう随分経つのだけれど、ゴーイングのライブに初潜入してきました。メジャーデビューして以来、新曲はチェックしてきたし、アルバムも聴いたり聴かなかったりしつつも、気にかかる存在ではあった彼らの“初武道館”ということで、ほんとにそれだけ動員することができるのかね? という興味本位と、生で演奏を聴いてみたい! 号泣バンドの生号泣を観てみたい! という軽い気持ちとともにチケットを手配。 なんか前売りチケットは直前までプレイガイドで結構余っていたという噂なのですが、会場は2階スタンドはちょうど180°だけが客席として使用されていて、残りの180°は暗幕で隠されてましたが、それでもほぼ満席っぽかったです。チケットが売り切れたら「ステージプラン変更につき、追加席発売!」という塩梅になっていたんだろうな・・・と邪推。 2006.07.24 Monday 01:49
ナスターシャ
1994年
監督 アンジェイ・ワイダ 出演 坂東玉三郎・永島敏行 玉三郎丈が男女二役を演ずる妙味を最大限に引き出すべく、ドストエフスキーの『白痴』をアレンジして舞台化されたものを基にした映像作品。 何はともあれ、冒頭と終盤を除くほとんどが密室における二人芝居。演劇的な演出によって、時間を自由に遡行しながら物語は紡がれていく。 冒頭には玉三郎丈によるナスターシャとムイシュキン公爵の婚礼が描かれる。特撮によってひとつの画面に収まるそのふたりの姿にとにかく圧倒された。舞台の上は虚と実の境を取り払い、それらを綯い交ぜにすることが比較的容易であっても、映像となるとなかなか難しいのだが、ナスターシャは徹頭徹尾、完璧な女だった。しかも、同じ人物が演ずる男と並ぶ、という観客をしらけさせるに充分な状況にもかかわらず。 そして、二人芝居の場面では、生成りの背広と丸眼鏡というムイシュキン公爵が、眼鏡をはずして白い衣を身に纏いイヤリングをつけるだけで、ナスターシャへと変貌する。ここではメイクは最小限しか施されておらず、また、声色や立ち振る舞いも大きく異なってはいないのだが、繊細かつどこか病的なムイシュキン公爵と気高く激情的なナスターシャが、それぞれ自然にひとつの身体に息づいている。 玉三郎丈の名高さは歌舞伎について門外漢の私でも認識していたのだけれど、それだけの評判と結果を呼ぶだけの芸を見たのは不勉強にもこの映画がはじめてでしたが、尋常じゃないひとなのだと実感。 この映画から十年余りが過ぎ、後に鼓童と共演した「アマテラス」が稽古風景と併せてNHKにて放送され、眠気と闘いつつ鑑賞。 やっぱり舞台はまず、生で観ている客のためのものなので、それを収録したものゆえに、ちょっと演者たちのグルーブ感に乗り切れなかったというか・・・。 特に、話の筋で面白がらせる芝居じゃなかったので(役のついている人のはそもそも声を発しないし、ストーリー仕立ての和モノのショーみたいだと思いましたよ)、映像で観ると物足りなさが残ってしまう。太鼓はやっぱり身体の芯がビリビリ震えて痺れてこそ、のものだと思いますし。 だからかもしれませんが、アマテラス(玉三郎丈)が天の岩戸に隠れてから出てくるまでの間が結構あったのですが、ところどころ睡魔に負けてしまいました。出てきたあたりで目覚めたのですが。 同じ映像であっても、舞台を収録したものと、映画として撮影されたものとを比較すると、やはり映画のほうがどうしてもよく見えちゃうんだよなァ。 ということで、生で玉三郎丈を拝見するための序章としていろいろ映像鑑賞をしてみました。歌舞伎座でかかっている「天守物語」にいってきます。いやはやほんとに楽しみ。 2006.07.20 Thursday 00:10
社長三代記
1958年・東宝
出演:森繁久彌・小林桂樹・加東大介 司葉子・扇千景・団令子・雪村いづみ 三木のり平[ほか] TSUTAYAで勢いづいてつい借りてしまった、「社長」シリーズ。名前だけはかろうじて存じ上げていたくらいだったのですが・・・おもしろかった! これがまた、腹を抱えて笑うような感じではなくて、ゆっくりと味わいがしみこんでくるような。 とりたてて斬新さはないけれど、森繁久彌演じる二代目社長の女遊びのしっぺ返し、小林桂樹が社長のとばっちりをくらう冴えないっぷり、型にはまることを疎んじてばかりはいられない面白みにあふれています。 男優陣は皆、男前ではないものの、飄々とした個性でなんともおかしみのあるメンツがずらり。森繁爺の壮年時代はそれほどでもないのですが、小林桂樹の若かりし日の容貌は感慨深いものがあります。若いのに年寄りじみてるというか、コミカルな容姿は今の姿にも通じているのは勿論なんですが・・・、若造扱いされてることに感動してしまいました。 あと、三木のり平の出番が少なくて残念。シリーズの他の作品でじっくり見てみたいなァ。 そんな男性陣と比べると、女優陣の顔ぶれは超豪華、美人揃い。往年の銀幕のスタアがこぞって出演。 みんな若いけど、とりわけ、芸者役の扇千景がありえないくらいの美しい!悪いけど面影くらいはあってもバチはあたらないだろ、と思うのですが、この可愛い子ちゃんと元国土交通大臣とが同じ人物だって言われてもにわかに信じがたい。司葉子はいまでも若さを保ってて怖いくらいだけど、芸能界で現役の大女優という地位を保ち続けるにはお直しとかメンテナンスは必要不可欠だという証明なのでしょうか。千景さんは魑魅魍魎が跋扈する政界で生活してきたのだから、多少妖怪じみた路線へビジュアルが傾斜していったとしても不思議ではないですね。 森繁爺の細君役で久慈あさみが出ているのですが、ウェブ上では越路吹雪と記載されているデータも見受けられました。どっちも宝塚の人気男役なのですが、この作品、2パターン存在したりするのでしょうか。それとも、他の「社長シリーズ」のものと混同しているのでしょうか。事実、他のシリーズでは越路吹雪が森繁爺の妻を演じているものもあるようなので。 2006.07.19 Wednesday 23:16
水滴 / 目取真俊
こわいこわい。ホラーっていうか、ファンタジーっていうか。いや、もちろん純文学なんでしょうが、純文学って敬して遠ざけるだけのような気がするので。 とりあえず、情景描写が丁寧で、美しい。それが屍をグロテスクなまでに細やかにその景色を想像させる文章。文章自体がこわいわけじゃなくて、読み終えたときの心持ちがこわいのです。 戦争を知らない世代が戦争を描くことの難しさ、とともに、知らないからこそ一歩踏み出して書けるものもある。物語は書き手の経験によって左右されるものでは、必ずしもないけれど。 三篇目の「オキナワン・ブック・レヴュー」は、何度チャレンジしても途中で挫折してしまって読了をあきらめました。濃厚すぎてそのときの自分にはどうしても合わなかったのです。題名の通り、架空の雑誌の書評欄という設定で文章が連ねられていく形式なので、ちょっと独特で濃厚な沖縄の要素をもろにかぶってしまった、というかなんというか。 「水滴」 芥川賞受賞作。南の島の陽気と、周縁として琉球‐日本‐アメリカの間で政治的に揺れ動いてきた歴史とによって、複雑に入り組んだ文化を醸成してきた沖縄の姿を切り抜いた一例として、優れているように思う。かの島がどういう土地の記憶を持っているか、それが住民にどれだけしみとおっているかを端的に示しているのではないか。 兵士の幽霊が男の腫れた脚から滴る水をねぶりながら呑む様子、その水の不思議な効能を知って売り飛ばす男の甥など、おかしみとともにうらさみしさも湛えていて、なんとなく素敵。 「風音」 映画化されたようです。ちょっと見てみたい。でもこの筋立てをそのまま映像化したとしたらそれはそれで興醒めしそう。脚本を目取真氏が手掛けたとのことで、勿論、それなりに潤色されてるとは思うのですが。 ふたりの男の沖縄戦についての記憶が絡み合い、崖の上の壕の風葬場からひっそりと海を眺める頭蓋骨の鳴らす音が消え・・・。 頭蓋骨の生前の姿が果たして、男を戦地から帰らしめたものかどうか、はっきりとは描かれないままなところは、解りやすい話筋であることを敢えて拒絶しているし、ラストシーンは決して希望とも絶望ともいえないものの仄かな安堵感をおぼえたりしてしまって、不覚にも感情に押し流されかけてしまいました。 2006.07.17 Monday 05:00
SAKURA 六方面喪失課 / 山田正紀
よく考えてみるとミステリに分類されるような気もするが、読み心地は意外とそういう感じではない。表紙にもある「アクション・ミステリー」という冠がとても相応しい読後感。 体よく退職に追い込みたい人員を整理するために北綾瀬署に設けられた「喪失課」。1990年、バブルに躍っていたあの頃、組織からはみだした男たちがそれぞれに出会う事件と謎は絡まりあって、終幕へとなだれこんでいく・・・。 テンポもいいし、重過ぎなくて読みやすいし、喪失課の面々もアクが強くて。こちらでネタバレ感想とともにそれぞれの事件と最終章「消えた町」との関係を図示されています。 ミステリとしての部分が弱いというか、SAKURAとはいったいどんな人物だったのか、などなど、細かいところが腑に落ちなかったりするのですが、とにかく痛快なアクション部分に溜飲が下がりました。 2006.07.10 Monday 00:19
花は花なり/ハイペリオン / 宝塚歌劇花組
1996年
於:宝塚大劇場 「花は花なり」 真矢みき・純名りさがトップコンビの作品。ふたりとも宝塚OGとしては活躍しているほうですね。 芝居とショーの二本立ては今の宝塚の標準的な構成なのですが、この「花は花なり」は芝居というか、和ものショーにちょっとしたコントがついてきちゃった、みたいなすごい出来栄え。コメディとかそういう洒落たもんじゃなく、コント。芝居の部分が短いうえ、その後半は60年後の設定で、メインのスターがこぞって老け役。腰を曲げて杖つきながらの爺と婆のデュエットとかされてもなぁ。面白いけど。 あと、全編通して、コメディセンスが垢抜けないっつーか。出演者のがんばりが気の毒に思えてきます。 そして特筆すべき点としては、戦前からの大スターである春日野八千代も特別出演しているところ。扇を手に舞う姿はただならぬ貫禄とオーラを纏っているのです。扇がぷるぷる震えていたりするのも、この公演の時点でかなりのお年を召されているのだから致し方ないのかも。 そう考えると、一昨年、本公演の祝舞に短いながらも出演したのは奇跡的だったのか。あんまり有難みとか解らないながらに、とりあえず周りに緊迫感を漂わす春日野先生を注視していましたけども。でも、もうさすがに本公演で宝塚・東京とひと月ずつ出演するのは無理だと思われ、ちょっと悔しい。 「ハイペリオン」 ショーはなかなか突っ込みづらいのですが、とりあえず男役に女装させまくり。愛華みれ、匠ひびき、紫吹淳、朝海ひかると、解った範囲で4名。みなさんトップまで登りつめてらっしゃる。 それにしても、衣装のセンスがひと昔前って感じです。いや、実際十年ひと昔なんだからそれで仕方がないのだけれど。これを見ると、今の宝塚のショーの衣装も垢抜けてきてることが解ります。 |
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