2023.11.15 Wednesday
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松本隆/風街図鑑~風編~ (JUGEMレビュー »)
オムニバス, 原田真二, 薬師丸ひろ子, 松田聖子, 近藤真彦, 太田裕美 1曲ごとに寄せられた本人コメントが面白い。思い入れの濃淡に思わずほくそえんでしまう。 RECOMMEND
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2006.04.25 Tuesday 21:46
GOLDEN☆BEST / C-C-B
01.Romanticが止まらない 唐突ですが、最近のマイブーム(死語?)はC-C-Bです。「Romanticが止まらない」の一発屋として、あの人は今的な番組で散発的な再結成を繰り返すバンドとして、ご存知のかたも多いかと思います。 しかし、世はバブル前夜から全盛期にかけて、花の80年代。昭和から平成にかけて、予備知識の全くなかった私の想像よりも息の長い活動を、彼らはしていたのです。 '85年にココナッツボーイズからC-C-Bへ改名した第一弾シングル「Romanticは止まらない」の大ヒットにより一躍スターダムへとのしあがり、'89年の解散に至るまで、10曲連続チャート10位内に送り込むという記録を残したのです。記録というよりは、11曲目は10位圏外だったという含意が若干虚しいだけの事実かと思いますが、それでも一発屋と呼ぶには少々活躍しすぎている! と深く確信するに至りました。 C-C-Bへと至る端緒は、松本隆氏のコンピレーション「風街図鑑」と筒美京平氏のコンピレーション「Hit Story」に、それぞれ収められていた「Lucky Chanceをもう一度」と「空想kiss」。勿論、双方ともに「Romantic」も収録されていたのですが、それ以外の2曲があまりにも素敵だったので、もうちょっと他の曲も聴いてみたいと思うようになったのでした。 まずは、ベスト盤を聴いてみるべし! と思い立っていろいろ調査。ベストアルバムは、解散時に出た2枚同時リリースされたものが、いちばんオフィシャル要素の強いもので、それ以降はレコード会社の再発廉価版ベストがすごい勢いで乱発されてます。どれから聴き始めるか・・・とても迷ったのですが、とりあえずは、近所のTSUTAYAに並んでいた唯一のC-C-Bアイテムであった「ゴールデン☆ベスト」、これをセレクトしたのであります。 彼らの「Romantic」からラストシングル「Love Is Magic」までの13曲、なおかつ12インチシングルに収録されていたリミックス3曲、メンバーのソロ名義のシングル曲を2曲(ともにデビュー曲のようです)、「Romantic」のカラオケをボーナストラックとして収録しています。アルバム曲とかシングルB面とかは入っていませんが、オーソドックスかつちょっぴり嬉しいおまけつきな感じで、C-C-B入門としては今のところ一番ふさわしい一枚なのではないかと思います。 2006.04.16 Sunday 00:08
愛のパンセ / 谷川俊太郎
半世紀という決して短くはない歳月を経たというのに、その言葉は全く古びていない。取り上げられたテーマはすぐれて普遍的だが、そのようなものこそ、時代の気分によって様々に喧伝されていくものであろう。高度経済成長前夜の人々の深奥を照射した谷川氏の詩人の眼差しは、個人の生活形態だけでなく社会構造までも大きく変化した21世紀の私たちの根底にあるものをも照らすのである。 とかなんとか、力みまくってむつかしく書いてもメリットは何もないので、この辺でやめときます。 国内の現代詩人ではおそらくもっとも高名であろう、おなじみ谷川俊太郎氏が1957年に上梓したはじめてのエッセイ集。エッセイという枠に留まらないさまざまな掌編たちは分量が控えめな割りに、相当読み応えがあります。そして、氏の言葉の力強さに改めて感服しました。 特に「沈黙のまわり」にノックアウトされました。短いフレーズが僅かに連ねられているのだけれども、ほんの7ページのなかに詩というもの、言葉というもの、生というものについての核心が記されていて。嘆息。 これまで、氏の詩集しか手にとってこなかったことを深く悔いながらも、まだ何も遅くはないのだ、と思いを新たにして、未知のものへ挑んでいく気になるのでした。 2006.04.08 Saturday 18:32
ふしぎな図書館 / 村上春樹 佐々木マキ
村上春樹を読むのはかなり久しぶり。3、4年前に『バースデイ・ストーリーズ』がかなり印象に残っているのですが、あれは翻訳ものですし・・・高校生以来ずっと読んでいなかったのか! 好きな作家であることは確かなんだけど、読んだ後に精神的に消耗するから、実際にはそれほど読んでないにもかかわらず、たくさん読んだ気になっていたんだな、きっと。大学のときは周りがみんな読んでたし、新作の評判を聞いただけで読んだ気になっていたんだ。読みたいな、村上春樹。そう思っていた今日このごろ、たまたま手に取ったのが、この『ふしぎな図書館』。これは旧作を絵本として書き直したものなので、がっつり氏の世界を堪能できたわけではありませんでした。でも、佐々木マキ氏(男性なんですね。これまで女性だと信じて疑いませんでしたよ)のポップな世界とともに、短いなかに描かれた物語は充分に魅力的、でした。 私たちの暮らす日常のなかの、反転された非秩序。それが特別なものではなく、ごくありふれたこの世界の一面にすぎないこと。世界と私をつなぐもの。誰も知らない、私だけにしかできない世界とのささやかなかかわりかた。 根源的でありながら、それは普遍的でもあるような、そんなことに触れられる、よろこびと畏れが舞い戻ってくる。 この本を読み終えてからというもの、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とか『ねじまき鳥クロニクル』とかを読み返したいという衝動に駆られるのですが、それよりは『海辺のカフカ』とか『アフターダーク』とか未読のものを読んどきたい気持ちもありつつ。選ぶのに迷っちゃいますよ。 続けて耽読する気にはなれないけど、時折、忘れかけたころに読みたい村上春樹ワールド、改めて自分の内部で再認識いたしました。 2006.04.06 Thursday 21:18
名探偵 木更津悠也 / 麻耶雄嵩
これまで読んだことのない作家を長編から読み始めるのが苦手です。よほど興味をひかれない限り、短編集や薄めの本からスタートしています。麻耶さんも、デビュー作『翼ある闇』を積んでおきながら、この短編集から読み始めてしまいました。 表題の通り、事件の被害者の家族までもが聞き憶えあるというほどに高名な「名探偵」木更津、そしてその助手である作家の香月(特に説明はないものの、これは旧姓と思しい。現在の姓はおそらく「今鏡」)というコンビ、木更津を信頼する辻村警部の3人が主要キャラクタ。 名探偵と助手、というミステリの定型。そして、助手が作家というのもよくある設定。 しかし、これは作者の意図かもしれないが、描き込みが非常に淡白なため、キャラクタの魅力に惹き込まれるような類の物語ではない。御手洗とか京極堂的な探偵と助手のある意味では危うくもある関係性を楽しむことも難しい。助手・香月は余裕を持って助言をするし、適切な距離をもって木更津を敬愛しており、特定のかたにとっての萌え要素は薄めかと存じます。 あくまで、トリックを核とした作品にするためかなァ、と思ったりもします。他の麻耶作品を知らないので、なんとも言いようがないのですが。 個人的な趣味でいえば、地の文の言葉遣いが砕けているところが多々あり、そこには首を傾げました。現代風な物言いが多いことは別に構わないのですが、ちょうどTVゲームで云うところの処理落ちみたいなものだろう」とか「浜村淳なみに澱みなくまくし立てる」みたいな軽すぎる表現が頻繁にあらわれて、ちょっと物語への没入を妨げられてしまうのが不満なんだ。 作中、随所に、過去に彼らが携わった事件について言及されているため、それらを描いた作品も出版される可能性もなくはないのかな、と思います。でも、キャラクタに強い魅力を感じられなかったので、追いかけていくのは、つらい。 2006.04.03 Monday 21:28
沼地のある森を抜けて / 梨木香歩
梨木さんの作品は「深い」という表現に尽きる、とこれまで思っていました。確かにこの作品も「深い」のだけれど、『からくりからくさ』や『裏庭』で描かれていた、人間の業や血脈といったものを取り上げながらも、さらにひとつ突き抜けた印象を受けました。 久美は亡くなった叔母のマンションを譲り受け、暮らすことになった。代々受け継がれてきたぬか床の手入れをことになったのだが、それは久美の生活を思いがけなく変容させていく。 久美の出会ってきた人々や、ぬか床が縁で出会っていく人々、そして久美自身によって語られるのは、複雑さと簡素さを兼ね備えたこの世界のほんの断片。誰しもが心当たりのあるようなやりきれなさ。作品前半のこうした部分だけで既に私は満足していて、「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」という何のエクスキューズもない異界についての挿話の意味など何も考えてはいませんでした。 |
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