2023.11.15 Wednesday
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松本隆/風街図鑑~風編~ (JUGEMレビュー »)
オムニバス, 原田真二, 薬師丸ひろ子, 松田聖子, 近藤真彦, 太田裕美 1曲ごとに寄せられた本人コメントが面白い。思い入れの濃淡に思わずほくそえんでしまう。 RECOMMEND
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2005.11.29 Tuesday 20:20
スクランブル / 若竹七海
若竹七海さんの本を久しぶりに読みました。彼女の作品には毒がある、とよくいわれています。実際読んでみても、あまりにブラックすぎて読後に軽く塞ぎこんでしまうこともありましたね・・・。 この「スクランブル」にも毒、あります。あるといっても、他の作品に含まれているそれとは種類が違います。背伸び、自意識、他人の目、葛藤、・・・なんというか、十代に特有の心理や、それに伴って起こる些細な出来事の数々、それが「毒」だなあ、と。 男子が読んでもそれなりに懐かしいというか、甘酸っぱい心持ちになるんですから、女子にとってはもっと生々しいんじゃないでしょうかね。 ミステリの要素も強いけれども、青春小説というくくりのほうがしっくりくる。大枠の殺人事件についての謎はいまいち?だったような気がするし。各章ごとの小ネタのほうが面白かった。 あと、登場する文芸部の6人がなかなか見分けづらかった。これはよく言われてることみたいですが。正直、それぞれの家庭での様子が描かれても、キャラクターの立っていない人については判別しづらい。再読すればもうちょっと理解が深まるかもしれないので、またしばらくしたら読み返してみようかな。 2005.11.25 Friday 23:08
物語が、始まる / 川上弘美
川上弘美さんの本を初めて読んでみました。 「センセイの鞄」が話題になったので、てっきり恋愛小説の人だと決めつけていましたが、違った。 確かにこの短編集のなかにも恋愛を扱っているものがあるけれども、読み終わってみて心に残るのは、恋愛ではない感じ。 どれもとても短い話で、とても個性的な、印象的な設定だったり、小道具が出てきたりする。日常的な普通の人々の暮らしを描いているのだけれど、非日常というかファンタジックなものが内包されている。 「物語が、始まる」 男の雛形を拾い、育てる女。雛形は成長していく。女には恋人がおり、彼を部屋に呼んで雛形と会わせるが、それからふたりの仲はうまくいかなくなり、別れてしまう。そして、雛形と女の生活が終止符を打つまでの様子を描いている。 『アルジャーノンに花束を』の展開と重なるところもあるのだそうです。そういわれると確かに、と頷ける。 女の感情の変化も、必要最低限の言葉で、かつ飄々とつづられていて、なかなか面白く読めました。 「トカゲ」 幸運を呼ぶ「トカゲ」を手に入れた主婦たちのお話。 なんだろう? 若干ホラーっぽさを感じたわけです、私は。川上さんは女性同士のけんかや悪口などを、「トカゲ」というものをクッションにして表現したかった、というようなことをどこかのサイトで見たんですが(曖昧でごめんなさい)。 抜きんでることを好まず、ひたすら同質的であること。他者にも同質性を要求すること。人間関係がはらんでいる緊張感を、巨大化しつづける「トカゲ」の異様な姿が体現しているかのよう。 こわかったです、ほんとに。 「婆」 まり子は見知らぬ婆に手招きされ、家に上がりこむ。遠慮しながらもいつのまにか食事をし、酒を飲んだ。婆は死んだ者の名と命日とその日の天候をかまぼこ板に書き、忘れないようにしていることが解る。そしてまり子は台所で「穴」を見つけて・・・。 このお話もまた、とても不思議。この本に収録されているなかで解らなさが一番激しかった。 「穴」も、婆も解らない。けれど、どこか好もしい。生と死が繰り返され、すべてのものが移ろっていく儚さ、それゆえに一瞬のふれあいをいとおしく思う気持ちを感じたりしました。 「墓参り」 先祖の墓を探して一緒に骨を入れてほしい、と死んだ父親が家を訪ねてきた・・・と、姉が突然、墓探しをすると言い出した。姉妹は先祖の墓を探すため、父親宛の手紙の差出人の住所へと向かう。そこでさまざまな出来事が起こる。 彼岸と此岸のボーダーがなくなっちゃいましたよ! ということで、死者が登場するし、お姉さんはシャーマン体質になっちゃうし、最後には話の整合性を無視した場面転換までもなされてしまう。 こういう霊的なお話は、小説ならではの醍醐味だな、と思います。だって映像化できるわけもないし。ラジオドラマならできるかもしれないけど。短編にもかかわらず、訳の解らなさが充満していて、好きです。 2005.11.19 Saturday 18:10
春期限定いちごタルト事件 / 米澤穂信
小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに二人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の二枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を摑み取ることができるのか? 『さよなら妖精』の著者が放つ、コメディ・タッチのライトなミステリ。 これはミステリというよりは、青春モノといったほうがしっくりくるような気がする。本性を隠し、それを矯正しようとする少年少女をめぐる学園ストーリー。 小鳩くんと小佐内さんが恋愛感情を持つことなく、これからもきっとそういう関係になることもなさそうだが、互いに小市民たろうと約束している、という設定自体が非現実的なファンタジーなので、ミステリ的な部分の地味さをうまくカバーしているように思います。 とにかく、文体も読みやすく、連作短編なので集中して一気に読みこむ必要もないので(一冊通してもそんなに分量がないので、一気に読めちゃいますが)、軽い気分で読めて、楽しかったです。 で、この作品はシリーズの第一作目だそうです。すでに雑誌で新作が発表されています。 小鳩くんの小賢しい名探偵ぶり、凶暴な復讐マシーン小佐内さんが自制しつつも活躍する姿や、過去の出来事など、いろいろと期待してしまいます。 2005.11.12 Saturday 23:26
音楽カテゴリの前置き。
私はTMNETWORKが好きだということをこっそりプロフィールでカミングアウトしていたりします。ということで、中学生から高校生にかけて(90年代半ば)、小室哲哉が楽曲提供した曲をテープとかMDに集めたりしていました。
当時はインターネットがまだそれほど普及していなかったので、今みたいにファンサイトで情報を収集することができなくて、結構苦労していました。ただ、TMN終了を記念した高価なデータブックが当時発売されていて、購入したのですが、それに、木根尚登と小室哲哉の他アーティストへの提供楽曲が不完全ながらもリストアップされていたので、それを頼りにはできたのですが。で、少しがんばっていたものの、大学に入ってから忙しくなり、そんな時間もなくなり・・・。TMNETWORKの再始動にともなったライブなどには当然行けず、TM本体としてリリースされる音源はある程度聴くようにはしていましたが、その他の楽曲提供・プロデュースについては、情報を追いかけること自体をやめていました。 それから幾星霜、小室はんのオーバーワークも落ち着き、楽曲提供やプロデュースもほんとに年にいくつか程度となり、久々に小室サウンドを蒐集してみようかと思いついた今日この頃。 今なら追いつける、追いつけるよ! なんてTKサウンズのコンプリートを妄想したりして。 可能な限りふところを痛めないように、というスローガンのもと、図書館でCDを借りて、粛々とPCにデータを落としています。 あまり読書に時間を割けないため、更新がほんとに滞ってしまうことが確実なので、こうして、今個人的に再ブームが到来しているTKサウンズを中心にレビューというほどのことはできませんが、紹介していきたいと思っています。 木根さんの提供曲も集めていないことはないのですが、小室サウンズほどは重視していません(どちらかというと、個人的な好みは木根さんの音のほうなんですけども)。木根さんといえば提供楽曲のコンピレーションが出るようなので、楽しみです。 2005.11.10 Thursday 21:28
街の灯 / 北村薫
士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。令嬢の「わたし」は「虚栄の市」のヒロインにちなんで、彼女をひそかに「ベッキーさん」と呼ぶ。そして不思議な事件が…。北村薫スペシャル・インタビューなども収録。 昭和七年を舞台にした、北村さんお得意の日常の謎系ミステリの連作短編集。文藝春秋の本格ミステリマスターズシリーズから出ているものの、いわゆる「本格ミステリ」とは違った趣ではありますが、昭和初期ならではの小道具の使い方が映える素敵でした。 江戸川乱歩、銀座の時計台、チャップリンの『街の灯』・・・。 それとともに、ヒロインの通学する女子学習院の様子をはじめ、昭和初期のハイソサエティの人々の交友や作法など社交生活の描写が、とても面白い。 併録されているインタビューによると、シリーズ化されるようなので、ベッキーさんとの出会いによって成長する「わたし」こと英子の成長物語としても、自作以降を期待できると思います。ベッキーさんの素性も徐々にあきらかにしていってほしい。 個人的には、北村作品のなかでのベストは、「時と人」シリーズ三部作の『リセット』です。今作(『街の灯』)にせよ、覆面作家シリーズも、「円紫さんと私」シリーズも好きなのですが、やっぱり『リセット』のスケールの大きさとドラマティックで深い感動には敵わないです。というか、『リセット』が北村作品のなかでも例外的な作品なのかもしれないと思う次第です。 今作はほぼ同時代の設定ということで、ふと『リセット』を思い返してしまいました。 2005.11.09 Wednesday 00:20
理由(日テレ・ヴァージョン)
107人の出演者が、事件について、それを追うドキュメンタリーに証言するという形式で話は進んでいく。もともと、WOWOWで放送され、それに手を加えたものが劇場公開されたのちにDVD化されたようです。それを日テレが力を入れてるDRAMA COMPLEXという火曜9時枠で、撮りおろしシーンを加えて再編集した日テレヴァージョンを見ました。原作は宮部みゆきの同名小説。
映画版もWOWOW版も見ていませんので、あくまで推測ですが、撮りおろしたシーンは、ドキュメンタリーを放送する番組のキャスター役として日テレのアナウンサーが進行する収録スタジオでの場面と、事件と関係する場所を訪れるストーリーテラーの寺田農の場面くらいでした(おそらく)。アナウンサーが微妙なかけあいをしていて腹が立ったところと、テレビ番組としての体で話が進んでいるので画像にセリフやト書きのテロップが出まくるところがうざったかった。 結構関係が込み入った話を、なかなか解りやすくちゃんと描けていたと思います。豪華キャストを差し引いても、なかなかよい作品だと評価できます。まあ、ラストカットの以外は。ドン引きですよ、あのラストは。 原作も5年くらい前に読んでますが、内容を忘れてしまっているのですが、いくらなんでも、あんな終わり方はしていなかったような・・・。 それにしても、WOWOWのサイトでは、キャストが50人しかのっていないのが不思議。セリフもほとんどなかった島崎和歌子がのっているのに、少しとはいえセリフもあるしどアップにもなる大山のぶ代はのってないとか、不思議。今日の放送の最後のテロップにはもちろん出てましたけど。いや、ちょい役で豪華なキャスト使ってて、それを見るだけでも楽しかったりします。のぶ代以外にも、立川談志とか、裕木奈江とか。 あと、宮崎あおいの実の兄が兄役で出ててびっくり。「ユリイカ」でも共演したのを見たとき、うわ、実の兄妹で兄と妹を演じるって案外画期的! と思ったものでした(あそこまでがっつり話の本筋にからんでくる配役としては、ということです。不勉強で知らないだけで、他にも例があるかもしれませんが)。 とにかく、豪華キャストなので、見る価値はあります。でも、正直、日テレヴァージョンであることの利点があまりにも見出せないと思います。大林宣彦監督自ら再編集したとのことですが・・・うーん、DVD版のほうを今度見てみます。 2005.11.04 Friday 19:00
金曜日のライオン。
ほぼ日で今日、MOTHER3の発売決定が報告されました。「ひと季節分くらい先」の発売になるそうで。うわーい。5年ほど前に一度制作発表したものの発売中止になったらしいんですが(その時代はゲームにアンテナを張っておらず、ネット環境が家になかったので、そんな情報知らなかった)、今度は本決まりのようです。
高校生くらいまではそこそこゲームはやってましたが(主にRPGを中心に。格闘ものやアクションものはノータッチ)、最近はほとんどやってませんでした。でも、MOTHERだし。これはやるしかない。ゲームボーイミクロも買わねばなりませんね。家にゲームボーイのソフトを差し込んでプレイできるスーパーファミコンのソフトがあるんですが、おそらくアドバンス以降に対応してないと思われます。 あと、1と2同様、ノベライズは出るんでしょうか。そしてそれは久美沙織さんなんでしょうか。久美さんであることを祈っています。 さきほど、近所の商店街で、小学校低学年らしき女の子ふたりが、手をつないで「ドレミのうた」を熱唱してました。なんだ、この平和な感じ。心を洗われる気分になりましたよ。そういえば、小学生のとき、伊藤咲子の「ひまわり娘」を四人くらいで放課後ずっと歌ってた覚えがあります。1980年生まれの小学生が、何故にひまわり娘という異様なチョイスをしたのか解らないんですけど。多分普通に当時のヒット曲を歌うような素直な子どもじゃなかったんですね。 このところ、一青窈さんの「かざぐるま」が、映画「蝉しぐれ」の主題歌としてテレビコマーシャルでパワープレイされていました。そこでふと気づいたのですが、一青窈さんの声は歌い方によって、谷山浩子さんの声と似ている(ような気がする)。ほんとに微妙なんですけど。谷山浩子さんの歌声をすぐにイメージできそうな人が周りにいなくて、インタネッツで綴ってみたりしています。共感してくださるかたはいなさそうだな・・・。 |
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