- スペース (創元推理文庫)
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- 発売元: 東京創元社
- 価格: ¥ 691
- 発売日: 2009/05/05
- 売上ランキング: 182654
これまでの二作とはちょっと違った趣のある作品です。説明しづらいのですが、主人公が駒子であって駒子でないのです。どこを抜き出してもネタバレしてしまうのですが、とにかくミステリとしては王道ではなく、日常の謎の王道とでもいいましょうか。
この本のテーマは、勝手に決め込んでしまえば「出会い」。
「はるか」へと送られる駒ちゃんの書簡が中心となる「スペース」、そして謎解きの「バック・スペース」。それらは意外な真相と人間の可能性や、必然と偶然の綾なす物語がつなぐ出会いについてのお話です。
シリーズ前二作の登場人物もちらほら顔を出しつつ、物語は進んでいきます。
「出会い」が清々しくも、現実のほろ苦さを含みつつ、とてもさわやかな読後感のある一冊でした。