読書・観劇記録、音楽メモを中心とした備忘録ブログです。
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ケミカルなんだけどナチュラル。一度聴いたら病み付きになる名盤です。
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海辺のカフカ / 村上春樹
海辺のカフカ 全2巻 完結セット (新潮文庫)
海辺のカフカ 全2巻 完結セット (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,564
  • 発売日: 2010/11/05
  • 売上ランキング: 13491

うん、そこそこ長い話だったけど面白かった!村上春樹らしさを満喫できた一作でした。
カフカ少年に感情移入できるかというと難しいのだけれど、ナカタさんや星野青年、さくら、大島さん、佐伯さんなど、魅力的な登場人物に溢れている。それぞれに人間らしく問題を抱えていたり、喪失感を胸にしたりしていて、とても好もしい。
カフカ少年の視点の物語と、ナカタさんの視点の物語がほぼ交互に繰り返されている。
カフカ少年は香川にあるホテルに泊まったり、さくらという深夜バスで出会った女性の家にお世話になったりした。そののちに図書館に一応はお世話になることになる。
ナカタさんは猫と話せるという特技を駆使して猫探しをし、なんだかんだあって東京から離れヒッチハイクで西へと向かい、星野青年と出会う。
カフカ少年の父は、ナカタさんに自分を殺すように促して、死んだ。
警察は行方不明の一人息子カフカ少年と、ナカタさんを探す。

伏線なのかと思ったら回収されずそのまんまになったエピソードもある。カフカ少年の記憶が一時的になくなったとき、着ていたシャツが血塗れになっていたこと、ヒルや魚が空から降ってくることなど。

大島さんの所有するキャビンに、一週間生活するに足る食料を持って隔離され、自然のもつ力を全身で感じるカフカ少年。父親から母親と姉を犯すことになるだろうという呪いをかけられたりするカフカ少年。佐伯さんに惹かれていくカフカ少年。
いろんなエピソードはあるのだけれど、個人的にいちばん好きな登場人物はナカタさんです。星野青年も嫌いになれないけれど。
ナカタさんは猫と喋れるけれど、文字が読めなかったり、記憶がなかったりする。でも、それが欠点ではなく、ユニークさとして飲み込めてしまう。

エンディングはとてもいい感じでした。もっとハードな終わりかたをしてもおかしくはないかな、と思ったのだけれど、案外ストンと収まりのいい幕切れで、ちょっと肩透かしだったかもしれないぐらいです。とある登場人物の死が悲しいけれど、それも必然なのかと思うと仕方がない離別なのだな、と切なくなりました。
| coutaca | 書籍(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(0) |
アフターダーク / 村上春樹
アフターダーク (講談社文庫)
アフターダーク (講談社文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 2006/09/16
  • 売上ランキング: 13138
  • おすすめ度 3.5

夜更けから朝方にかけて、複数の人物たちの生活の断片を垣間見ることができる。
あくまで断片であるのだけれど、細部が描かれなかったところを含めて、リアリティのある部分と虚構としてしか機能しない部分とがうまく接合されているように感じました。
ファミレスで分厚い本を読む少女マリ、トロンボーンを持つひょろっとした男タカハシ、ラブホテルで働くカオル、コムギ、コオロギ。そしてマリの美しい姉エリ。そして、「私たち」。
ほんの数時間の間、以前から知り合いだったり、その場で出会ったりしながら、物語は紡がれていく。
タイトル「アフターダーク」は楽曲の名前からとられているようだけれど、まさに、暗闇の向こうに待つまばゆい朝の予兆に希望を託して生きる人々の何とも知れない惑いや諦め、希望を感じ取ることができた。
| coutaca | 書籍(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(1) |
ふしぎな図書館 / 村上春樹 佐々木マキ
ふしぎな図書館
ふしぎな図書館
  • クリエイター: 村上 春樹 (著) , 佐々木 マキ (イラスト)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2005/02/08
  • 売上ランキング: 847
  • おすすめ度 3.62

村上春樹を読むのはかなり久しぶり。3、4年前に『バースデイ・ストーリーズ』がかなり印象に残っているのですが、あれは翻訳ものですし・・・高校生以来ずっと読んでいなかったのか! 好きな作家であることは確かなんだけど、読んだ後に精神的に消耗するから、実際にはそれほど読んでないにもかかわらず、たくさん読んだ気になっていたんだな、きっと。大学のときは周りがみんな読んでたし、新作の評判を聞いただけで読んだ気になっていたんだ。読みたいな、村上春樹。そう思っていた今日このごろ、たまたま手に取ったのが、この『ふしぎな図書館』。これは旧作を絵本として書き直したものなので、がっつり氏の世界を堪能できたわけではありませんでした。でも、佐々木マキ氏(男性なんですね。これまで女性だと信じて疑いませんでしたよ)のポップな世界とともに、短いなかに描かれた物語は充分に魅力的、でした。

私たちの暮らす日常のなかの、反転された非秩序。それが特別なものではなく、ごくありふれたこの世界の一面にすぎないこと。世界と私をつなぐもの。誰も知らない、私だけにしかできない世界とのささやかなかかわりかた。
根源的でありながら、それは普遍的でもあるような、そんなことに触れられる、よろこびと畏れが舞い戻ってくる。

この本を読み終えてからというもの、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とか『ねじまき鳥クロニクル』とかを読み返したいという衝動に駆られるのですが、それよりは『海辺のカフカ』とか『アフターダーク』とか未読のものを読んどきたい気持ちもありつつ。選ぶのに迷っちゃいますよ。
続けて耽読する気にはなれないけど、時折、忘れかけたころに読みたい村上春樹ワールド、改めて自分の内部で再認識いたしました。
| coutaca | 書籍(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(0) |