2023.11.15 Wednesday
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松本隆/風街図鑑~風編~ (JUGEMレビュー »)
オムニバス, 原田真二, 薬師丸ひろ子, 松田聖子, 近藤真彦, 太田裕美 1曲ごとに寄せられた本人コメントが面白い。思い入れの濃淡に思わずほくそえんでしまう。 RECOMMEND
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2006.09.24 Sunday 03:28
窯変 源氏物語 2 ─若紫・末摘花・紅葉賀 / 橋本治
日本文学の古典に疎い者でも知っているような有名な話のオンパレードだった前半戦も「紅葉賀」で一段落。面差しにあどけなさが残る光源氏も、次巻からは二十代。 十代最後の光の君は、夕顔を亡くして色好みに拍車がかかる姿もどこか憂いを帯びながら、生硬な残酷さ、情け深さやおかしみも垣間見えて素晴らしかったです。 2006.09.15 Friday 20:07
窯変 源氏物語 1 ─桐壺・帚木・空蝉・夕顔 / 橋本治
日本語の綾なす深みに誘われて、いつしかその世界に籠絡されてしまった。 とにかく美しく奥行きのある文章が描き出すのは平安貴族の生活ではあるが、その内面に秘された狂気にも近い人間の感情のドラマに打ちのめされてしまう。これまで小説家としての橋本治についてはほとんど触れぬままやってきたのだけれど、やっぱり評論・ノンフィクションの類でも際立った異才ぶりは、もともとの専門分野においても如何なく発揮されています。「桃尻語」の枕草子やノンフィクションでみせるくだけた解りやすい言葉とは別のベクトルではあるものの、やはり同じ知性によって産みだされたものだけあり、怜悧さに貫徹されている部分は共通しているのです。 本書は紫式部の書いたという王朝の物語『源氏物語』に想を得て、新たに書き上げた、原作に極力忠実であろうとする一つの創作(フィクション)、一つの個人的な解釈である。と巻末にあるように、『源氏物語』の現代語訳ではなく、橋本治が著した『窯変源氏物語』でしかない。橋本治が再構築した「源氏」。光源氏の一人称が紡ぐのは色事を通して見えてくるこの世の理、その平安の代と現代に通底する部分こそが著者の手によるこの作品の意義なのかと思います。 とはいえ、原典は学校の教科書で触れた程度、他の作家による作品も目を通したことがないので、比較することが出来ないのは歯がゆかったりします。あ、江川達也のコミック版は1巻だけ読んだことがあるのですが、エロ要素をクロースアップしすぎて続きを読む気が失せてしまった記憶しかありませんし。 この作品が発表された当時、「国文学における最新学説を平気で飛び越えている」と学者に言わしめるほどのものなのだそうですが、個人的には全くそういった部分は解りません。確かに研究者の目から読んでみるのも面白いかもしれませんが、私はこの物語についてはただの古典に疎い素人としてついうっかり読み始めることができて幸せでした。 全14巻という長丁場、果たして読み切れるのかという疑念は捨て去れないのですが、この言葉の美しさに翻弄されるがままにしていればあっという間なんじゃないかと思いつつ。 |
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