2023.11.15 Wednesday
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松本隆/風街図鑑~風編~ (JUGEMレビュー »)
オムニバス, 原田真二, 薬師丸ひろ子, 松田聖子, 近藤真彦, 太田裕美 1曲ごとに寄せられた本人コメントが面白い。思い入れの濃淡に思わずほくそえんでしまう。 RECOMMEND
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2006.10.26 Thursday 21:55
強運の持ち主 / 瀬尾まいこ
瀬尾作品にしては重さがなく、いつにもまして読みやすい。読みやすすぎてちょっと物足りないくらい。 ヒロインは一人で働ける仕事を探した結果、占い師になったルイーズ吉田。彼女の店にやってくる客や、押しかけお手伝い、アシスタントなどを通して、人のつながりとかそういうようなものを描いていく物語。 別に悪くないんだけど、あっさりしすぎた印象を与えてしまうのは、おそらくルイーズのもとを訪れる人々は店の場面でしか登場せず、一番ドラマチックに描くことが出来るシーンは割愛されている。ルイーズがたまたま目撃したり、休みを返上して客の様子を視察する部分は登場するけども、補助的な役割にすぎないし。 ということで、彼女が「強運の持ち主」である恋人の道彦ともに過ごす日常のなかで、さりげないけど大事なことに気づいていくというところが勘所となっています。だから出会う人々によって変わるルイーズに重点が置かれていて、その相手の描写は少ない。 意図的なものでしょうし、これはこれで作品としての質は高いです。個人的にはあんまり好きじゃないけど。それにしても瀬尾まいこの高値安定ぶりは凄いなあ。 2006.06.08 Thursday 19:01
優しい音楽 / 瀬尾まいこ
表題作を含めた三つの短編をあつめた本。恋人たちの日常における非日常っていったらいいんですかね、そんな感じです、いずれも。ま、テーマは恋愛そのものではなかったりしますけど、これは恋愛モノに分類しちゃっていいように思います。ダメでしょうか。 ネタバレして困るほどのネタはほとんどないのですが、あらすじを書いちゃうと興を削ぐ気がするので、感想のみ、以下に。 「優しい音楽」 恋愛モノとされているような作品はほとんど読んだことがないので、この話が他と比べてどういう特徴を持っているのか解りませんが、こう、ありそうなこと、ありえなさそうなこと、よくわかんないけど実際そうなっちゃうとそうなっちゃうのかもしれないようなこと、の配分がうまいこといってると思いました。 「タイムラグ」 不倫とか浮気とか、人によって捉えかたが違うので、この話に対して嫌悪感を持つ人も多かったりするのだろうか。すれ違ったり、シンクロしたり、事情があったり、それを隠したり。というような人と人との間の微妙な感じをさらりと、さりげなく提示されてしまったような気にさせられた。登場人物は本当はそのとき、何を考えていたか、というようなことはどうでもよくて、それがとにかく印象的だった。 「がらくた効果」 佐々木さんをがらくたと称してるくだりはなかったのに、このタイトルってちょっとひどくないですかね。 人との出会いで人は変わるね、というよくある主題を、ひとひねりした設定で、感じよく読ませてくれる。それだけかよ、って思ったりはする。けど、それは三編すべてにいえることでもあるし、この何気ない「何もなさ」から透き通ってくる感覚は稀有でもある(ような気がする)。 2006.05.14 Sunday 20:56
幸福な食卓 / 瀬尾まいこ
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」その宣言とともに仕事もやめた父、別居中の母、飄々とした兄の直、そして佐和子・・・ある家族の4年間の出来事を綴った四つの物語。 外側からは平穏そのものにしか見えない家族の内にある歪みを淡々と描いています。 ひとつひとつのエピソードに登場人物たちの息遣いを感じて、とてもいい作品だったのですが、なぜかすんなりと心に響かなかったのでした。うまく言語化できないのですが、これまでに読んだ瀬尾作品より浸透力が弱い、というか。 2006.03.19 Sunday 17:27
卵の緒 / 瀬尾まいこ
ありふれた設定、特別なことは何ひとつ起こらない、とてもシンプルな文章。なのに、読み終わったあと、確かなあたたかみを胸に残す。ごく普通の日常のなかに潜んでいる特別なことを切り取る鮮やかな手腕は、これがデビュー作とは思えないほど。『図書館の神様』も『天国はまだ遠く』もよかったけれど、これは短い分だけ凝縮されたものがあるからか、収録された2編とも、格別に心にしみた。 「卵の緒」 「家族」というものは特別なもののように思える。けれど、どこからどこまでが家族で、どこから先が家族でないと、線を引くことが容易い環境ばかりではない。家族だからつながっているともいえるし、つながっているものどうしを家族と呼んでいるともいえよう。この物語で描かれるつながりは綺麗ごとのように見えながら、それでも魅力的に輝く。 「7's blood」 こちらでは血のつながりをもつ異母姉弟の、心のつながりが描かれている。 七子と七生が少しずつ心を通わせていく過程に無理はなく、そしてふたりの抱えている様々な思いを垣間見せたのちに、物語は終幕する。 ラストシーンは、ただ美しい。 2005.12.17 Saturday 21:46
天国はまだ遠く / 瀬尾まいこ
瀬尾さんの文章はシンプルで癖がないので、すごく読みやすい。 この作品も、とても読みやすい。そして、ものすごくあっさりしている。 自殺しようと心に決め、電車に揺られて遠く離れた田舎の村の民宿に泊まった主人公。薬をのんで自殺を図ったものの、死ぬことができず、そのまま民宿に泊まり続ける。 宿主の田村さんとのやりとりは、決して劇的なものではなく、いくつかの経験をしたのちに、主人公は自分の住む日常へと戻っていく。 もうちょっといろいろ演出があってもいいんではないかい、と思いつつも、最近ここまであっさりと、淡々と心の変化を描いた小説は読んでなかったので、新鮮でもあった。『図書館の神様』のときも感じたけれど、それよりももっとシンプル。 登場人物のまなざしのあたたかさが、とても心地よかった。 |
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